イシカワ 洋服ブラシ最高峰たるゆえんは、尾脇毛にあり?

高級洋服ブラシ_イシカワ

洋服ブラシの最高峰、間違いなし!

オラツィオ・ルチアーノのスーツを買った2年ほど前、ある取材をきっかけに高級洋服ブラシ、イシカワを知ることになった。ちょうど加藤和彦さんの本を読んでいた頃で、スーツの手入れに興味があった。本にはクリーニングはNG、着た後は丁寧にブラッシングするという主旨が書いてあったと思う。それまで平気でクリーニングに出していたので、僕はそれを読んで愕然とした。石川さんに確かめてみても、生地の風合いを損なったり、型くずれや色落ちなどのトラブルがあるので、残念ながらあまりおすすめできないと。

「服にブラシをかけると生地の毛並みが揃い、風合いが出る。色のくすみも消えて、今までと違った感触が生まれる」と石川さんは自分の洋服ブラシに自信たっぷり。石川さんのブラシにかける情熱はすごい。そして値段が高い。一般的に洋服ブラシに使用されるのは、豚毛か本毛と呼ばれる馬の尾の毛だが、イシカワのブラシの素材は“尾脇毛”(価格は本毛の10倍以上!)。馬の尾の根元に生えている特殊な毛で、本来は筆に使われるという。この毛筆独特の柔らかさと腰の強さが、細かい埃を払い出し、生地の表面を整え、風合いを保たせる。しかし、この尾脇毛を使うことで、数倍の手間がかかるという。現に他のブラシ作りよりも数十工程多い。「あくまでもいいものというコンセプトでつくると自然とこうなるんです」と石川さんは言う。

イシカワの洋服ブラシは国内外を問わず、いいものがわかる目利きに評価されている。キトンやダンヒルと交わした契約はその証左。愚直なクラフトマンシップにマーケティング度外視の値付け、イシカワのものづくりは究極を目指している。

イシカワ

イシカワ

職人、石川和男氏が理想を求めて作り上げた洋服ブラシは、まさに世界に誇れるメイド・イン・ジャパンのプロダクト。材料から製法に至るまで、一切妥協を許さない姿勢は同業者も舌を巻くほどだ。取材等で製品の素晴らしさは十分わかっているけれど、いまだ入手に至らず。残念ながら僕の懐事情ではなかなか手が出ない。http://home.g08.itscom.net/ishikawa/index/