はじめての? ブレザー

blazer / ブレザーはじめてと言っても、今までブレザーを持たなかったわけではない。Ralph Lauren(ラルフ ローレン)など、ズン胴シルエットに3つボタン、パッチポケット、センターベントのディテールがその由緒を表す米国型を数着着用してきた。Brooks Brothers(ブルックス ブラザーズ)を起源とするナンバー ワン サックの系譜。

余談だが、ブレザーは一時期、“紺ブレ”などと呼ばれ(今でも言うのだろうか?)、爽やか男のマストアイテムとされたことがあった。その紺ブレとやら、僕にはブレザーのようでブレザーには見えなかったことを思い出す。そういえば、故加藤和彦さんは、紺ブレは蔑称と書かれていたっけ。

さて前置きが長くなったけれど、「はじめてのブレザー」とはなにがはじめてなのか? それは、ブレイザー コートをあつらえるということが僕にとってははじめてということ。ここは敢えてブレザーではなく、“ブレイザー コート”と呼びたい。

ブレイザーの由緒についてはほかで多くのことが述べられているので、ここで詳述することは控えたいけれど、歴史的背景を知ればやはり、ブレイザーと呼びたくなる。紺ブレのようなファッショナブルな概念とは程遠く、変化を必要とせずタイムレスに普通であり続けるもの、それがブレイザー コートなのだ。

blazer / ブレザーオーダーの内容はもう決まっている。Turnbull & Asser (ターンブル&アッサー)のダブルブレストがいちばんイメージに近いだろうか。

・生地はサージ
・ダブルの6つボタン2つ掛け
・チェンジポケットは付けず、ポケットのフラップはスラント
・サイドベント
・フルール ド リスのエナメルボタン(別途用意しないと)
・裏地はスカーレットの総裏

※オックスフォード大学との対抗ボートレースで、ケンブリッジ代表のレディ マーガレット ボートクラブの学生たちがボートに乗船する時、赤の上着を脱ぎ放ち、それが燃え輝く炎のように見えたので、観客は「おお、ブレイザー!」と。これがブレイザーといわれる有力な説の一つ。裏地をスカーレットにしようと思った理由はここにある。

以上、このような仕様で注文しようと考えている。テーラーは、英国式ドレープに定評のある、batak(バタク)。テーラーにはハウススタイルがあるので、どこまで細かい希望が通るかはわからないけれど、久しぶりに服の愉しみを感じる。早速僕は、仕様を記したメモを胸の内ポケットにしまい込んで、新宿御苑から程近いbatak House Cut本店へと出かけた。(…続く)

photograph/batak