黒は臆病者のユニフォーム? BLACK RALPH LAUREN(ラルフローレン)

ralph lauren「安全圏の黒というのはスリルがない。黒は臆病者のユニフォーム」と喝破したのは、スノッブなライフスタイルを極めた故加藤和彦さんだった。

もう少し説明を加えると、黒色を全否定しているわけではなく、誰でもそれなりに見える逃げ口としての黒い服のこと、そしてそれはそもそも悲しい色なのだから着るなら覚悟が必要ではないかということを書いていた。

恐れながら僕も同じような考えを持ってきた。クローゼットを開ければ、黒いものは葬儀専用のブラックスーツと、ニットタイしかなかった。が、この夏黒のポロシャツを取り入れてみた。いまさらながら思ったのは、完全なるベーシックカラーの一つだということ。用途は広いし、なにより締まる。

そういえば、RALPH LAUREN(ラルフローレン)のパープルレーベルが醸し出す黒の世界観は憧れだったかもしれない。クラシックでありモダンでエレガント。御大の着こなしも参考にするところが多かった。

とても大げさだけれど、要は黒とどう向き合うかということ。何色を着ようと人がとやかくいうことではあるまいが、安易な全身黒尽くめは故加藤和彦さんにもちろん賛同するし、いまや常識となったらしいビジネスシーンでのブラックスーツには強い違和感を覚えてしまう。

steve jobsスティーブ ジョブズは名プレゼンの数々で決まって黒のタートルネックのニットを着ていた。イッセイ ミヤケがお気に入りで、同じものを何百着と注文したという。これを僕はスティーブの“覚悟”と見るが、加藤さんだったらどう評しただろうか?

Photograph/RALPH LAUREN WIRED